「はんだ付け加工」ってどんなもの?

電子基板と電子部品をつなぐため、はんだを隙間なく接着する加工法が「はんだ付け加工」です。

隙間なく接着するためには、電子基板と電子部品の両方が十分に高い温度になっておくことが重要です。すぐ温度上昇する電子基板パターンは問題ありませんが、注意すべきは、なかなか温度上昇ない部品端子で、この部品端子に熱を与え温度上昇をさせないと、結果的にはんだ付け不良なってしまうのです。 電子基板の構造によってはんだ付け加工の方法が変わります。ただ、はんだ付けに絶対に必要な4要素、『はんだ付けの4要素』の知識だけは、生産現場の関係者にとって大変必要なことですので、忘れないようにして生かして下さい。はんだ付けの4要素
  1.  熱(温度)
  2.  フラックス
  3.  毋材金属
  4.  はんだ
4要素のうち、一つでも欠けると、はんだ付けはできません。

はんだ付け加工の方式

はんだ付け加工を行う方式は、大きく分けて3つのタイプがあります。
手作業のコテはんだ付け、フローはんだ付け、リフローはんだ付け

コテはんだ付け

 まず母材金属に熱(温度)を加え、その後はんだ付け箇所に糸はんだを加える方式。 母材金属を温めずに、そのままはんだ付け箇所にはんだを流せば、はんだ付けされたように一見みえますが、結果は合金層が形成されない“イモはんだ付げ’状態です。作業者の技術が問われる作業です。

フローはんだ付け

 基板に部品を仮付けしたものを、基板の下の面をはんだ槽に漬けながら通過させる方式。下面に付いたICチップなどの部品の足部分にはんだ付けしたり、基板の上からリード線を基板下まで貫通させている穴にはんだを吸い上がらせていく(これを「濡れ上がり」という)。フロー装置の中では、300~400リットルの融けたはんだがプールされており、下部にもうけられたプロペラで表面にはんだを噴流させている。1次噴流では、下から吹き上げるように基板の下面にはんだを吹き付けている。ここで、少しよけい目にはんだを基板に付ける。こうすることで、基板上にまではんだを「濡れ上がらせる」ことができる。2次噴流では、基板の進行方向と同じ方向に流れる平らな面を作る。これが、付き過ぎたはんだを拭い去る役目を持っている。

リフローはんだ付け

 はんだを20ミクロン~30ミクロンの微細な粉末にして、フラックス(なかに含まれるイオン化合物により電極の酸化膜を除去するなどの働きをする)や松ヤニなどと混ぜ、粘り気のある絵の具のような状態にしたものを、基板のはんだ付けする部分にシルクスクリーンの要領で印刷する。その上に接合する部品を載せ、高熱のリフロー炉をくぐらせることによりはんだを溶かし、はんだ付けする方式。ポータブル機器のような高集積基板などに必要とされる、非常に細かいはんだ付けに使用される。基板の温度を均等に上げるために徐々に温度を上げていき、はんだが溶ける温度まで上げてから、今度は固めるために徐々に冷却していく。